のれんは防炎品であることが義務付けられています
麻に限らず繊維品は火がつけば燃えやすく、一気に燃え広がって火事につながることがあります。
火災を防ぐため布製品の繊維を改良し、燃えにくくすることで火災を防ごうとしました。
火がついても全く燃えないというわけではなく、燃え広がりを抑えることができる加工となっています。
火を近づけても燃えにくく、火を遠ざけると自然に消失する性質があります。
「防炎品」と呼ばれ、のれん・カーテン・暗幕・のぼりなど、様々な場所で防炎品が使われています。
屋内で使用するのれんは防炎品の使用が義務付けられています。
百貨店や地下街のショッピングモール、繁華街や商店街、イベント会場でものれんを使う機会は多いでしょう。
こういった場所では消防庁の法令で防炎品を使い、その多くの製品は日本防炎協会より認定されたことを
示すため防炎加工認定シールを張っています。
のれんも例外ではありません。過去に、防炎品が着火物となりましたが、類焼を防ぐなど被害を最小限に
抑えたケースもあります。
火災事故だけでなく放火などの犯罪対策にも有効です。
防炎加工する時の注意
のれんを含め布製品を防炎加工する時、洗っても防炎効果が落ちないものと、残念なことに水で洗うと
防炎効果が落ちてしまうものがあります。
二次加工だと洗うと防炎効果がなくなるため、再加工が必要となります。
そのため屋外で使う暖簾は、雨等があたり水により薬剤が流れ出るため二次加工ができない場合があります。
水につけて縮むもの色泣きする製品は加工できないこともあるため、事前に確認して下さい。
屋内で使い、水にぬれる心配がなければ問題ありません。
生地によっては水洗いができ、防炎効果を保ったままの暖簾もあります。
対応する生地の種類は、各業者によって異なります。綿・レーヨン・帆布・ポリエステル・麻100%を
扱える業者もあるため、金額と合わせて比較検討してみると良いでしょう。
二次加工の場合、暖簾が汚れていれば別途クリーニング代がかかることもあります。
藍染などの暖簾で染めが弱い場合は、水分(加工剤)に触れて色が落ちることもあります。
顔料プリントの場合は、その部分だけ加工剤を吸わないため加工ができません。